部落問題に取り組むキリスト教連帯会議 第26回狭山現地調査学習会
 第20回狭山再審・証拠開示要請

 2018年3月12日~13日、部キ連の狭山現調、高裁・高検への要請行動が行われた。
 12日は、鹿児島で起きた大崎事件の判断が福岡高裁・宮崎支部で11時ごろに出されるというので、固唾をのんでテレビをみていた。昨年6月鹿児島地裁が再審開始決定を出したにも関わらず検察が即時抗告をしていたのだ。無実を訴え続けて39年、犯人とされた原口アヤ子さんは90歳。弁護団が「東京高裁が再審開始決定」と書かれた布を高々と掲げたテレビニュース。やっとここまできた、との思いが込み上げる。「あたいはやっちょらん」と訴え続けて来た原口さんは今、入院中だという。袴田事件や、大崎事件のように、再審開始決定が出ても、検察の上訴(即時抗告や、特別抗告)によって、裁判は途方もなく長くなる。確定判決を覆すような新証拠が出れば、裁判の中で、明らかにしていくのが当然だと思うのに、検察は頑なに裁判を開くことを拒み続ける。検察が裁判を受ける権利を奪っているのだ。憲法37条1項に「すべて刑事事件においては被告人は公平な裁判所の迅速な公開裁所を受ける権利を有する」とある。再審裁判には適用しないとは書かれていない。

   

 証拠不開示や、検察官の上訴の禁止など、刑事訴訟法にきっちりと書くことがえん罪被害を少なくし、このように長い裁判にならないのではないか。
 日本キリスト教団狭山教会で午後から事前学習、石川の訴えを聞いて頂いた。今年で26回目の現調、学習会なので、うれしい再会でもある。今年は初めて参加したという方が多く、私たちも力を頂いた。翌13日は現調と、午後から高裁・高検への要請行動。

 家に帰ってテレビをつけると、森友問題で、財務省の文書改ざんの報道がされていた。公文書を都合の悪い所を削除したり、改ざんするのは犯罪だ。えん罪事件では、証拠捏造や、証拠隠しによってどれ程多くの人が苦しみ、長い闘いを余儀なくされてきたことか。絶対に許してはならない。
 そのような世の中であっても、狭山現地事務所のさくらの花の蕾は大きくふくらみ、そこまで来ている春を待っている。