部落解放神奈川県共闘会議の現調

 2018年6月2日、蒸し暑い一日、神奈川県共闘会議からの現調。神奈川県共闘会議では5月18日に狭山集会が開かれ、5・23狭山市民集会に参加、2日の現調と、毎年の事ながら狭山闘争に大きな力を頂いている。
 11時から富士見集会所での学習会。富士見集会所に行くと、真新しい車いす。集会所の人に「この車いすは常備されているのですか?」と伺うと「そうです」との事。これまで集会所に車いすはなかった。ずっと気になっていた。一昨年車いすが必要な人が現調に来られ、急遽社協で借りた。昨年、狭山支部が行政交渉した時に要望した。車いすは集会所にあって当然のように思っていたが、声をあげなければなかなか実現しない。遅きに失したとはいえ、すばやく対応されたことがうれしかった。
 県共闘三川副議長の挨拶、石川の訴えの後、部落解放同盟中央本部・安田聡さんから「裁判長を動かすのは、弁護団の主張と世論の声だ。石川さんの無実を証明する科学的な、有力な証拠を出しているが、楽観出来ない。最後の一押し、皆さんに踏ん張ってもらいたい。多くの人に狭山の新証拠についてひろげてもらいたい。6月11日には袴田事件の決定が出る。袴田事件は狭山事件と似ている。自白がおかしい。警察・検察の出している証拠がおかしい。証拠のデッチアゲが明らかになっている。袴田事件は、静岡地裁で再審開始決定が出されたが、検察は即時抗告し、今東京高裁で審理されている。それを高裁が棄却 することは狭山にとっても大きな意義がある」と話された。先日、石川、菅家さん(足利事件)、桜井さん(布川事件)の3人が「高検の抗告を棄却」という字を書き、袴田さんに届けた。日本の裁判は裁判所が再審開始決定を出しても検察官上訴(裁判所の判断を不服として検察が抗告する)があり、いたずらに裁判を引き延ばす。再審開始決定は「無罪」ということではなく、新規・明白性など再審開始の事由があるとされた時、もう一度法廷の場で裁判の審理をやり直そう、調べなおそう、ということだ。
袴田事件も、狭山事件も今が正念場。石川は「公平で公正な裁判を」と訴え続けている。この声が届いてほしい。午後から現地調査。皆さんありがとうございました。

 2018年6月1日から「司法取引」の運用が開始された。他人の犯罪を供述することで、自分の罪を軽くするなどの見返りを得られる制度だ。自分の罪を軽くするために、また取り調べの苦しさから逃げたい、楽になりたいと「ウソ」の自白をする恐れもある。冤罪が今以上に増える心配がある。