近  況   2022年11月10日   

 2022年11月9日、部落解放同盟中央本部で、兵庫県連・坂本三郎委員長との新春対談(解放新聞兵庫版)があった。坂本さんとはこれまで集会等で何度もお会いさせて頂いたが、簡単な挨拶程度で、ゆっくりお話をさせて頂いたことはなかった。今回は2時間余り、雑談を含め、部落解放闘争や狭山闘争に関わったきっかけ、思い、兵庫の取り組み、事実調べを実現させる決意等も聴かせて頂いた。ざっくばらんで、率直なお話に、耳を傾けた。以前開かれた狭山集会の中で、一雄が「見えない手錠をはずすまで両親の墓に手を合さない」と話した時は胸を打たれたとおっしゃり、『石川さんにお墓参りをさせてあげたい』と坂本さんの目から涙がこぼれた。委員長の熱い温かい心が胸にジーンと迫った。
思いを語り合い、最大の山場にある狭山闘争、勝利するまで全力で闘おうと誓い合った。坂本さんと私は1947年生まれの同級生であることも初めて知った。いまから59年前の世の中(私たちは16歳だった)、私の故郷・徳島では、当時男女2人で並んで歩くだけでも『不良』の様に思われた時代であった。私が初めて狭山現調をしたとき(40数年前)、見も知らない男に『ちょっとこい。ついて来い』と自転車を止められた当時高校一年生のNさんが、およそ700メートル近くある農道を雑木林の方に向かってついて歩いたと『自白』にある。農道の周りには5人ほど農作業をしていた人たちがいた。凶器も持っていない石川に対して、助けも呼ばずおとなしく人気のない雑木林の方についていったという『自白』は到底考えられないものだった。被害者Nさんも1947年生まれ。
同じ年代の坂本さんと私。「初めて出会った男女が、自転車を挟んで雑木林の方に向かって歩くなんて『あの時代に、絶対に在りえない』」と一致した。いつものように、取材者にお構いなく、勝手に話す私たちに、記者のKさん、まとめるのにたいへんだろうな~と後で反省 "(-""-)"  坂本さん、Kさんありがとうございました。素敵な出会いに感謝です。

 11月8日 保護司さんとの面談。
これまで担当されていた保護司さんが定年のため、今年いっぱいで交代されるということで、この日新しい保護司さんと2人で来られた。事件発生から59年、仮出獄から28年、今も見えない手錠に縛られたままだ。
 面談後、コスモスの花を観に行った。満開のコスモスに癒された。

 11月6日、姪と一緒に「シアター風姿花伝」に「闇にただよう顔」を観に行った。上演初日の3日に姪と3人で行きたかったのだが、満員御礼で2人分しか予約できず、姪に「残念、一緒に観たかった」とメールしていたら、追加公演があることを知り、姪が予約してくれていたのだ。久しぶりに姪と会え、また「闇にただよう顔」も見ることができた。うれしかった。

 11月5日、東京のGさん、岩手のTさん(山梨のTさんの知り合い)から署名が届く。(*^▽^*)

 11月4日、歯医者に
 埼玉の邦子さんからメール。「11月5日から五反田会館の文化祭で準備しました」と写真を送ってくださった。「カモイ」や狭山の展示の中に笑顔の私たちがいた。

山梨の知らない人からたくさんの柿が届いた。お電話をすると「山梨のTさんの同級生でTさんから署名用紙の入ったお手紙を頂きました。」とのこと。「お元気でいて下さい。これからも署名に協力させて頂きます」と。驚いたし、感激した。見も知らない人が署名を下さり、柿を送って下さった。人間てなんて素敵なんだろう。温かいんだろう。

 4日 「狭山裁判を考える福山市民の会」のTさんから「10月30日に『寺尾不当判決糾弾!狭山事件の再審開始を求める福山集会』を開いた」事とその後、福山駅前で、23デー行動を行ったことなど、メールと写真を送ってくださった。全国で「寺尾不当判決」の集会が持たれている。 

 11月3日、「闇にただよう顔」(土方鉄さん原作)初演。一雄と二人で「シアター風姿花伝」に行く。3日から6日まで満員御礼だ。東京新聞、毎日新聞(地域版)、埼玉新聞に大きく報道されたこともあり、私たちもうれしく、狭山闘争にとっても大きな力になった。
狭山を題材にした法廷劇。埼玉の中学教師だった岩崎先生の思いと闘いが結実した。
お母さん役の勝平ともこさん、弁護士役の岩崎先生。演技とは思えなかった。一雄は「とてもよかった。思い出して、涙が出た。苦しくなった」と話していた。
出演者の皆さんに心から感謝を。

 このところ、時間があれば毎日手紙や礼状を書いている。
一雄は今、目が見えにくく、書くこと、読むことに不自由しているのでほとんど書かないが、子どもさんたちからの寄せ書きやメッセージは、私が代読した後、一雄からの口述筆記の形でお返事を書いている。子どもたちへの一雄の手紙の最後はやはり「私のようにならないように皆さんは一生懸命勉強をしてください」だ。