近 況 村木厚子さんからの署名 2023年2月25日
2月20日、Mさんから郵送で署名5筆が届いた。
お手紙には「~鳥口さんから預かった署名を、ちょうどOさん、村木さんたちとお会いするチャンスがあり、署名を頂くことができました。みなさん 心からエールを送っています。~M康子(一部抜粋)」と書かれていた。驚いた。感激した。
ちょうど2月9日、10日と徳島で集会があり、その中で一雄が「私が尊敬するのは村木厚子さん。『障がい者郵便制度悪用事件』で検察が村木厚子さんの犯行との筋書きをでっち上げ起訴までしたのに、村木さんは屈せず、諦めず、無実を主張、無罪を勝ち取ったのです。私も狭山事件の犯人としてでっち上げられました。1か月近く無実を訴え続けましたが、取調官の嘘や、誘導があり、兄が犯人と思いこまされ、『自白すればこれまで悪いことをしたことも含め10年で出してやるし、お兄さんも逮捕しない』との言葉に、嘘の『自白』をしてしまいました。いくら無知で騙されたとはいえ、24歳にもなって『自白』した私を振り返った時、今も多くの皆さんに冤罪を晴らすためにご支援いただき、ご迷惑をおかけしていることを申しわけなく思います。村木さんのように頑張れたらよかったんですが」と話したばかりだった。
事件発生から60年。一雄はウソの『自白』をした自分を責め続けた年月でもあった。そばにいる私はとても切なかった。24歳で、やってもいない殺人事件の犯人とされ、31年7カ月も獄中にとじ込められ、青春も、日常生活も奪われてきた一雄。
彼を犯人に仕立て上げた者こそ、断罪されるべきだ。
今 裁判所に鑑定人尋問の請求をしている。また、万年筆のインクについては裁判所自らが鑑定をしてほしいと請求もしている。狭山事件は長らく検察・警察に因って証拠が隠されてきた。
2006年、第3次再審が始まった。2009年東京高裁・門野裁判長が検察に証拠開示勧告をした。2010年5月、裁判所からの証拠開示勧告を受け、東京高検はしぶしぶ5項目、36点の証拠を開示した。まさに事件発生から47年目にやっと証拠の一部が開示されたのだ。私たちの税金等でかき集めた証拠である。国連からも「集めた証拠は検察・警察の物でなく国民の財産であり、開示すべき」と再三勧告がされているが、これまでなかなか応じなかった。事件発生から47年ぶりに開示された証拠の中には一雄が別件逮捕された当日書かされた上申書や、取り調べの録音テープもあった。録音テープには一雄が殺害方法についても何も知らないことを物語る「殺され方がわからないので(自白出来ないので)教えてくれ」という内容もある。これらが一審「死刑判決」当時、また2審「無期懲役」判決が出されていた当時に開示されていたら、このような判決が出されていただろうか。
また、年月が経って、科学、医学の進歩によって明らかになった真実もある。
裁判所には、これらを調べてほしいと強く願っている。
昨年9月に、これらの鑑定を行ってほしいという署名活動が始まり、2023年1月中旬までに30万筆を超えて署名を頂いた。
この署名に、濡れ衣を着せられそうになった「村木厚子」さんや、Oさん、Aさん、Sさん、Mさんたちの署名を、2月20日に頂いたことは、私たちにとって大きな喜びであり、力だ。ご本人の了解を頂き、私たちの喜びをこのページで皆さんにお伝えしたかった。
署名はまだまだ引き続きお願いしている。
裁判所はこの声、世論に耳を傾け、正義を貫いてほしい。
石川の命ある間に、裁判を開いてほしい
石川は1月14日、84歳になった
その生涯のほとんどを冤罪を晴らす闘いの中で生きてきた
石川は「真実は必ず明らかになる」と確信している
私も同じだが、時間は限られている
2月22日は、黒川さんのインタビュー。
いよいよ5月17日、岩波書店から「石川一雄」の本の発刊が決まった。
私たちも心待ちにしている。
多くの人に読んで頂きたい。
2月23日 狭山市入曽市民交流センターで「狭山パネル展」と講談師「神田香織さん」の講演。
涙も笑いも、怒りもいっぱいの神田さんの講演。
毎日新聞・埼玉版にも大きく記事を載せて頂きました。
パネル展は28日まで開催されています。
神田香織さんに、またお会いできるのを楽しみにしています。
2月24日 「部落解放」のインタビュー。