2023年3月25日、部落解放同盟埼玉県連第71回の定期大会。
大会議案書を広げて胸がパクパクした。23年度の運動方針(案)、3つの柱のトップに「狭山」があった。具体的な取り組みの中に「狭山事件60年を機に、中央本部と協力しながら仮称・狭山資料館の建設に向けて準備を進める。」とあった。うれしかった。
 一雄は多くの人に支えられ、精いっぱい生きた。闘った。60年の闘いの証としての「資料館」建設が方針として打ち出されている。二度と石川一雄を出してはならないとの皆さんの闘いと思いに涙がでるほどうれしかった。「狭山資料館建設」は私の秘かな願いだった。実現するには多くの困難があるだろうけれども、方針に打ち出されたことは、私の生きる希望となった。

 

 3月22日、「袴田事件」の再審開始が決まった。東京高検は最高裁への特別抗告を断念した。検察が袴田事件について「証拠捏造」を認めたのだ。ここまで来るのに57年。再審開始決定は無罪判決ではないのだから検察はいたずらに裁判を長引かせることなく、堂々と法廷の場で自分たちの主張をすればよいのに、それではまずいからこのような卑怯な手段をとるのだ。
 私の所にも多くのメールや電話、手紙を頂いた。袴田再審開決定の喜びと次は狭山だのエールだ。
袴田の最大の争点となった「5点の衣類」は狭山の「万年筆インク」とよく似た構造だ。
袴田事件を担当した裁判長は、静岡地検を訪れて、実物の色を肉眼で確認したそうだが、狭山の大野裁判長も実際に自分の目で確かめてもらいたい。袴田事件は司法の閉鎖性、再審制度の問題点を改めて明らかにした。
私たちはこれまでずっと闘いの中で叫び続けてきた「証拠開示のルール化(検察は自分たちに有利な証拠だけ開示し、不利になる証拠は隠すことの不当性)」や、検察による「抗告の禁止」等、改めて再審法の改正の声が大きくなっている。

石川は「鑑定人尋問をしていただければ、真実が究明され、無罪以外の判決はありません」と話している。
署名は50万筆を超えた。この声に裁判所は答えてほしい。「司法は生きている」と思えるような、「司法の信頼」を取り戻してほしい。

 3月22日、黒川みどりさんとの最終のインタビュー
 5月17日、岩波書店から「被差別部落で生まれてー石川一雄が語る狭山事件ー」が出される。昨年7月から始まったインタビューも終わり。
一雄のインタビュー(本の出版のための)は今回で最後と思っている。どのような質問にもいやな顔をせず、そのまま飾らず答えていた一雄。一雄のありのままの姿が現れている。多くの人に読んでいただきたい。

 3月21日、「第7回狭山事件の再審を実現しようin関西」の集会の報告を多くの人から頂いた。熱い温かい集会の様子が伝わってきた。
3月17日、大阪で「全国狭山活動者会議」が開かれた。
3月15日、ビデオメッセージの撮影等

   
 「狭山事件の再審を実現しようn関西」集会後デモ行進 (写真)FB「狭山事件の再審を実現しよう」より

 千葉・Kさん、東京・Gさん 滋賀・Yさん、山梨・Tさん、栃木・Fさん 東京・堀切教会のIさん、福岡、Iさん 皆さんから署名やカンパ等送って頂きました。また東京・東所沢教会のOさんから教会の皆さんからの寄せ書きを送ってくださいました。
皆さんの応援に私たちがどんなにか力を頂いているかしれません。

   


 一週間ほど、徳島から姉が来ていた。
来ている間にも、インタビューがあったり、ビデオ撮影があったりと、忙しい毎日だったが、姉の笑顔がうれしかった。3月23日に帰った姉もいつのまにか78歳。
大きな病を超えて狭山まで来られるようになった。
羽田空港まで送って行く途中、所沢駅では桜が満開だった。
いろいろなことに感謝する日々です。