立教大学で 2023年6月19日
黒川みどり先生から立教大学で、「近代社会と人権」の授業で話してほしい、とのお話があり、6月19日に実現した。何を話せばいいのだろうと思ったが、「普段通りの二人で」ということでお引き受けした。
学生たちに狭山事件の事、なぜ一雄が、別件逮捕され、ウソの「自白」に追い込まれていったのか、このようなえん罪や部落差別をなくすためにも、一雄自身から話を聞いてもらうことは有意義なことだと思ったし、なにより、60年も冤罪を訴え、闘い続けている人がいることを学生の皆さんに知って頂きたいと思った。
立教大学池袋キャンパス。100分の授業は、①部落解放同盟埼玉県連・片岡明幸さんがパワーポイント使った事件の概要。➁一雄・早智子の話。③片岡さんと私たちの対談、の形で進んだ。広い会場いっぱいに学生さんたち。驚いたのは、京都から「山本栄子さん」が参加されていたことだ。彼女は今92歳。狭山とのかかわりは50年と言う彼女。石川と同じように教育を十分に受けられなかった彼女は、「学校に行きたい」との思いを持ち続けていた。仕事を退職されて、夜間中学、定時制高校、そして69歳で大学に入学したそうだ。教育の大切さを痛感し、差別によって文字を奪われてきた石川の境遇に自らを重ね、「差別は教育を奪う。生活を奪う。石川さんの再審の困難を私たちの手であけよう」と訴え続けて下さっている。彼女が目の前に座っていた。うれしかった。一雄の思いは皆さんに届いたと思う。