11月30日、「第23回部落解放基礎講座 狭山事件 現地研修」として東京同宗連の皆さん29人が来て下った。浄土宗、立正佼成会、カトリック、曹洞宗、天理教、日本聖公会、日本キリスト教団の皆さん方だ。午後1時から集会所で交流学習会、午後2時ごろから現調をされた。7月にお会いしたばかりの日本キリスト教団「堀切教会」の真鍋さんご夫妻も来てくださってうれしかった。真鍋さんから開会の挨拶。石川は「多くの人に来ていただき、力が湧いてくる。裁判以上の事でご迷惑をおかけしてはならないと思っているが、最近は目が見えにくく、遠くに行くことを控えている。3次で何としても無罪を勝ち取りたい。」と更なる支援の訴えをした。
12月3日、部落解放埼玉県連・解放新聞の新年インタビュー。
部落解放埼玉県共闘会議の前川議長、埼玉住民の会連絡会議、・古川事務局長、埼玉県連・小野寺事務局長、そして私たち。2023年を振り返り、また、2024年への抱負をそれぞれの立場で語った。一雄は短期間で50万筆以上の「鑑定人尋問を求める署名」を頂いた事、黒川みどりさんの「被差別部落に生まれてー石川一雄が語る狭山事件ー」が出版されたこと。獄友・桜井昌司さん、日本キリスト教団・丹波さん、青森住民の会で尽力された一戸さんの訃報に接し、大きな悲しみに襲われたこと、袴田事件の再審開始決定が出てとてもうれしく、「次は狭山だ」との思いを強くしたこと、立教大学、静岡大学で学生さんたちに狭山を話すことができたこと、厚労省の「村木厚子さん」から狭山の署名を頂いたこと。埼玉住民の会が、創意工夫して、狭山60年の闘いを盛り上げてくださった事、等の感謝の言葉を述べた。私が「大野裁判長は12月12日で退官。2024年は新しい裁判長の下で闘うことになる。でも決して諦めない。また新たな気持ちで闘う」と話すと、一雄は「私の中には『諦め』という言葉はない」と、私の言葉をさえぎった。彼の断固とした決意に圧倒された。
2023年は事件発生、不当逮捕から60年という節目の年でもあり、数々の無実を明らかにする新証拠を裁判所に提出した年でもあった。また、署名提出など、世論の高まりもあり、多くのマスコミも狭山を取り上げた。2024年は内田裁判長の「死刑判決」から60年、寺尾裁判長の「無期懲役判決」から50年、「仮出獄」から30年。気が遠くなるような時間が過ぎた。しかし、「真実は一つ」「真実はきっと明らかになる」一雄の言葉と共に、下を向くことなく、前へ 前へ 一雄と共に歩みたい。