年頭のメッセージ
新年おめでとうございます。
すでにご承知のように先般、私の第3次再審請求を担当する東京高裁第4刑事部の裁判長が大野裁判長の定年退官によって新しい裁判長に変わりました。期待していた大野裁判長は、インク鑑定や事実調べについて積極的な姿勢を示さないまま、また、弁護団が求めていた証拠開示の勧告についても何の結論も出さないまま退官してしまい、残念無念でなりません。何のための黒い法服を着ているのか。黒はどんな色にも染まることがないことから裁判官の公正さを象徴しているのではないのか。との思いがこみあげます。
幾度も三者協議を重ねる中で、私、石川一雄に対する無実性を示す証拠の存在をつぶさに熟知していた筈であり、またこの間、鑑定人尋問を要請した52万筆を超える署名も提出されました。52万筆の署名の後ろには、多くの人々の「鑑定人尋問を行え」という熱い思いが込められています。新たに就任された家令和典裁判長には、ぜひ、私の無実を示す科学的証拠を精査され、事実調べ・再審開始を求める52万筆の署名の重みを受け止めて、インク資料の科学的鑑定の実施と鑑定人尋問、そして、証拠開示勧告をおこなっていただきたいと強くお願いしたいと思っています。
一生懸命署名集めに奔走して下さった多くの方たちや、長い間支援して頂いた方々が、がっかりされたかもしれませんが、もう一度再審闘争にお骨折り下さいますよう、伏してお願い申し上げます。私も再度出直す心境で取り組んでまいります。
また昨年末には、狭山弁護団事務局長として、長年狭山闘争勝利に向けご尽力頂いた中北龍太郎弁護士がご逝去されました。闘い半ばで亡くなられたことは悲しく、また残念無念でなりません。一日も早く、先生に勝利の報告ができるよう、精いっぱい闘い抜きます。
支援者皆様方にありましても、何卒ご協力の程心よりお願いいたします。
まずは年頭に当たり私の決意といたします。
越年し今年こそはと自分に問う 支援者有っての光輝来たる
2024年1月
石川 一雄