ホテルは、ジュネーブの中央駅(通称コルナヴァン駅)から歩いて15分ほどのところにあった。すぐ横をローヌ川(レマン湖に注ぎ込む)が流れ、川には何本もの橋がかかっていた。毎朝、違う道を探して、ジュネーブの街を散策した。川には無数の白鳥や、水鳥がまどろんでいた。どの橋の上にも長イスが置かれていたのが新鮮な驚きだった。1時間以上歩いてホテルに帰る。7時半ごろ朝食というのが、私のパターンだった。朝食のメニューは毎日同じ、コーヒーまたは紅茶、パン(とてもおいしかった)、ハム、チーズ、リンゴ、ゆでた卵。ゆで卵が赤い色をしていた。「日本からこんなに遠く離れると、鶏は赤い卵を産むんですね」と驚嘆して言うと、私が冗談を言ったと思ったらしく、片岡さんが笑っていた。何で色をつけるんだろう?これも驚きだった。紅茶がとてもおいしくて、毎日紅茶を飲んだ。