5.23メッセージ

 再審の扉を開けぬまま、不当逮捕56年を迎えてしまったことは至極残念で悔しい思いでありますが、第3次再審においては、私の無実を示す証拠は沢山提出されているので、必ずや再審開始を勝ち取るべく、今年も県下各地より決起集会にご参集頂けたものと思われ、例年の事ながら、支援者各位に心より感謝の意を表しておきたいと思います。
 私は当然の事乍ら、今時の第3次再審請求に命を懸けて活動を展開している訳ですが、恐らく現在の状況から察して、今年の後半は裁判所が鑑定人尋問などの事実調べをおこなうかどうかのヤマ場を迎えると思われ、それだけに、皆さん方の最大限のご支援は不可欠であり、皆さんのご理解とご協力を伏して願わずにおれません。
 一方、弁護団も確定判決で有罪の根拠と指摘した全ての証拠と検察官の反証・反論に対して、科学や医学の力をもって潰した上で、裁判所に鑑定人尋問と再審開始を求めて意見書を提出する由であり、だからこそ、今が如何に重要であるかを皆さんの胸に刻んで頂きたいのです。裁判所を動かすのは,一にも二にも世論の喚起でないかと思うのです。
 楽観できませんが、前述のように、私を殺人犯にデッチあげるため、警察、検察の自白の強要、証拠のねつ造、証拠隠しがおこなわれ、長い闘いの年月を要しましたが、これだけ冤罪の真相が新証拠によって暴かれた今、最早、真相究明のために、法廷の場で明らかにしないわけにはいかないと思います。
 そのためにも、あせることなく今の第3次再審の闘いで必ず勝利するとの決意で、私も全力で闘って参りますので、何卒皆さん方も私の冤罪を晴らすべく可能な限りご支援を賜りますよう衷心よりお願い申し上げて、不当逮捕56カ年糾弾再審実現集会のご挨拶に代えさせて頂きます。

 2019年5月23日 

                           石川 一雄