近 況

 この1週間ほどの間にいろいろなことがあった。
思いがけない新型コロナウイルス感染の広がりが原因だ。
この間安倍政権は、「事態の収束のため全力を尽くす」と、いつもの形だけの発言ばかりで、無為無策、後手後手にまわっている。憲法を変えることや、自衛隊派兵などは迅速な行動を起こし、検事総長人事に絡んでは、どさくさに紛れるように1月31日、特定の検察官の定年延長を閣議決定した。検察官の定年延長は違法、違憲との声がある中で、法を捻じ曲げてでも、自分に都合のいい人物を据えたいとの思惑が見え見えの卑劣な工作をする。それにふりまわされ、訳の分からない答弁をする官僚たち、自分たちの仕事の本分も忘れ、ひたすら忖度をするその姿は醜悪で哀れだ。毅然と不正義に立ち向かってもらいたい。でも人事権を握られ後が怖いんだろうなぁ。そのように忖度してでも、保身に走っているという現実に変わりはない。矜持はないのか。主権在民は忘れさられている。

 この間、モリ、カケ、サクラ問題で窮地に立たされながら、人のうわさも75日と高をくくり、市民をなめ切ったアベ。アベにとって、検察権力を掌握することは、権力維持に欠かせないことだったのだろう。これが「法治国家」といえるのか。
 斎藤貴男さん(ジャーナリスト)が、「恥を知らない”無敵の人”に監視される我々」と題して、日刊ゲンダイに「国会は今日もアベシンゾーのウソ八百劇場だ。「桜を見る会」も検察人事もデタラメ三昧で追及されてもただ、ウソ、ウソ、ウソ」「恥というものをしらない。」「居直るのが正義と信じ込んでいる幼児性。いわゆる”無敵の人”とはアベの事だ」「このままなら未来は肥だめのようなディストピア(理想郷の正反対の社会で、悪い、困難な場所等の意味)以外にあり得ない。日本社会のありかた、そこに生きる人間の自由が、今こそ一から問い直されなければならない」と書かれていたが、その通りだと思う。
この人たちを選んでいるのは、私たち。私たちにできることは、選ぶ権利の行使だ。

 
 会場のスクリーンに大きく写された石川と短歌(2/24)

 2月24日「第4回狭山事件の再審を実現しよう 市民のつどい in 関西」が開催された。私たちは狭山からの「テレビ電話」での参加となった。ここに来るまで、主催者や、関係する人たちのさまざまな思い、葛藤があり、それは私たちも同じだった。

 この決定以前から、集会の有無、参加等について、それぞれの主催者や、解放同盟内部でも話し合いがあったようだ。2月21日の東京集会は延期、27日、東京・三多摩集会延期、29日は不参加、3月3日、部落解放同盟全国大会は延期、3月5日、高裁前アピール行動中止、3月6日、浦和地裁死刑判決糾弾・第3次再審闘争勝利埼玉集会、中止等3月の現調も含めた、ほとんどが中止か延期の決定となった。私たちにとってどれも大切に思っている集会であり、アピール行動であり、現調だ。
特に浦和で開かれる「3・11浦和地裁(現さいたま地裁)死刑判決56か年糾弾集会」は、石川にとって『狭山差別裁判原点の日』としてあった。2月25日、夕方、埼玉県連・片岡委員長から直接「このような状況にあり、今日会議の中で中止が決まった。理解してほしい」との連絡をいただいた。石川の3・11に対する思いの深さを知るが故の、お電話だったのだろう。
 
 熊本、福岡からの子ども会現調の中止。「部落問題にとりくむキリスト教連帯会議(部キ連)の現調は、石川が仮出獄で出る以前から毎年続いている。この現調に全国から来てくださっていたが中止に。真宗大谷派・仙台教務所主催(岩手県・宮城県・福島県)の狭山共学研修会も17年~18年続けられているが、中止に。2月終わりから3月にかけての集会や、現調はほとんど延期か中止が決まった。
 
 現状を考えるとこの選択しかないように思う。長い時間をかけて、集会開催のために頑張ってくださった人たちや、狭山に来るために、廃品回収など、資金集めに奔走して下った子ども会や、地域の皆さん。胸が痛い。かきむしられる思いだ。

 まじかに迫った42回目の三者協議のこと等、様々な思いが駆け巡る。
石川はいつも「闘いの中で倒れたら本望」と言っている。しかし、半世紀を超えた、多くの人の連帯した闘いと、石川の闘い、涙、苦しみ、感動の闘いがある。
私自身は「石川が生きて冤罪を晴らす」「石川の重荷をはずす」ことだけを思ってこれまで共にたたかってきた。

 私たちが住んでいるマンションは古くなり1年ほど前から雨漏りがしていた。昨年10月に壁紙がはがれたことによって、壁に黒いものが現れた。何かと思ったらカビだった。石川が寝ている部屋だ。それ以降、管理者と話しを続けているがなかなか進まなかった。23日ごろ部屋の窓にかぶせていたブルーシートをはずしてみると、水がいっぱいたまっていて、石川のベッドの下まで水がきていた。驚いた。近くに置いてあった大事な書類もまたもや水にぬれた。早く何とかしないとと思っていたが、集会中止や、延期問題があり、カビの事もわすれていた。

 人を大事に、誰もが生きやすい、住みやすい、命を守る闘いが狭山。足元の狭山を忘れていた。

 
 Tシャツコンテスト作品

以前ホームページにカビと雨漏りの事を書いたら、青森のノブちゃんが憤慨して「体大事にしないとダメ。管理会社の人は何をしているの。そちらに飛んでいきたい」とメールが来て、対処方法等調べてくれた。滋賀のヨッチャンは、「少しでも健康のために」と『除湿器』を送ってくださった。しかし、私自身、忙しさと面倒なことを後回しにしたことでここまで来た。

25日は保護司との面談だった。
21日、I(アイ)女性会議、青森県本部から285筆の署名が届いた。「第一次集約分です」とのお便りと共に。
弱音なんか言ってられないとの思いを強くした日だった。

24日、たくさんの人から集会の写真を送って頂いた。その一部です。

   
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