12月5日、免田栄さんの訃報に接した。95歳だった。1983年、6度の再審請求を経て、死刑確定囚として初めて再審無罪判決を勝ち取られた。冤罪で12599日、23歳で逮捕され、57歳までの34年間、無実を訴えながら、獄中生活を余儀なくされた。免田さんの闘いは、冤罪を闘う石川にとって大きな目標であり、希望でもあった。1994年12月、冤罪を訴え続けながら仮出獄で社会に出た石川の冤罪を晴らす戦いにも大きな力を頂いた。

最近10年ほどはお会いすることがかなわなかったが、それ以前は狭山の集会に来て下さったり、個人的にも何度かお会いする機会を頂いた。パートナーの玉枝さんはさっぱりした人で、笑顔がとてもかわいい(ごめんなさい)人だった。死刑確定囚として長い時間を苦闘の中で過ごされた免田さんは、無罪を勝ち取った後も、「一度犯罪者(死刑囚)の烙印を押されると、無罪を勝ち取って、故郷に帰っても温かく迎えてはくれなかった。剃刀が送られてきたこともあった。」と無念の胸の内を話されたこともあった。結局「故郷に住むことはなかった」と話された時の怒りと悲しみの表情を今も忘れることはできない。玉枝さんが「結婚した当初、彼も荒れててね。でも彼の苦しみや、無念を思うとただ見守ることしかできなかった。でも今はだいぶ穏やかになったのよ」と話されていた。おふたりが知り合ったのは、玉枝さんが無罪を勝ち取って獄から出てきた栄さんの取材にいったことがきっかけで結婚されたと伺った。(ずいぶん昔に玉枝さんから聞いたことがある)
 栄さんは、哲学者の風貌をし、国家権力、司法に対し、厳しい姿勢、言葉を発しながらも、石川に対しては限りなく優しかった。24歳で別件逮捕され、56歳で仮出獄。無実を訴え続けながら31年7か月の獄中生活を送り、社会に出たその後も、冤罪を晴らすための闘いを続けている石川に、苦しみ続けた自分の闘いの年月を重ねていたのだろう。晩年も「警察や検察は有罪にするためなら都合の悪い証拠を隠す、証拠を捏造する」と全国各地を回り訴え続け,警鐘を鳴らし続けた。

 14~5年前に玉枝さんに頂いた手作りのコート(さおり織り?)は、今も私のお気に入りだ。

                      合掌

 12月5日、保護司の来訪

 12月4日、東京のGさん、お連れ合いのリイさんが手作りのピクルスと鳥ハムを持ってきてくださった。コロナで十分な活動のできない私たちに元気を運んでくれた。

 12月3日、「狭山事件に取り組む東葛住民の会」から署名50筆が届いた。代表のKさんのお便りに「~今年1月26日に松戸での狭山学習会に来ていただいた後はコロナに振り回され何もできないまま年が暮れようとしています。3月以降は駅頭情宣での署名への協力の呼びかけを行わず、会員や、学習会の参加者にはがき署名を何度かお願いしました。~今回は、はがき署名への協力を頂いた方々に5名連記の署名用紙を郵送し、回りの方に署名への協力を呼び掛けていただきました。~健康に留意して過ごされることを心から願っています~(一部抜粋)」
 20年近く、住民の会の皆さんとは学習会、現調と1年に2回お会いし、また高裁前アピール行動には必ず参加してくださっているので、まるで家族のようなおつきあいをさせて頂いているが、1年近くお会いできていない。それでも住民の会の皆さんの闘いは止まることなく続けられている。

 12月1日、埼玉のAさんからトマトと、ゆず茶が届く。「石川さんが元気でいてくれることが私の元気のもと、願いです」とのいつも温かい彼女のメール。

 狭山東京実行委員会からお手紙とDVDが届いた。「~この間、集会などの大きな取り組みができず、正直焦りもありますが、狭山東京実行委員会の構成団体からも、コロナ禍で何もできないけれど、できることをということで一雄さん、早智子さんへの仲間たちからのメッセージを集めて動画にしました。観て下さい~(一部抜粋)」と書かれていた。30分の動画は様々なシーン、団体からのメッセージや集会等が撮られていた。狭山東京実行委員会、東京同宗連、三多摩平和運動センター、ℐ女性会議、自治労東京本部とハローワーク労組や、町田市職労等々、狭山青年共闘会議からのメッセージ。2020年10月18日の東京清掃労組・人権交流会の現調の様子と皆さんからのメッセージ、9月17日の東京都連女性部を中心に行った高裁前スタンディング行動、10月2日の荒川集会、墨田の識字、品川の学習会の様子、狭山闘争の資料等々・・・・最後に①石川一雄さんを必ずケニアに➁近くに夜間中学校はありますか?とのメッセージが。
とても感動したので、DVDをコピーして多くの人に見てもらいたいと思ったのだが、DVDにたくさんの人が出られているので、コピーを取ることを断念した。皆さんありがとうございました。

 11月30日 富士見集会所でインタビュー。
 解放新聞・埼玉県版の新春インタビューで埼玉県連・片岡明幸委員長との対談。
今年ももうわずかだと実感。

 最近「サクラ」問題が花開こうとしている。モリ・カケ問題は、未だ真実の解明がない。アベさん、「サクラ」問題も秘書のせいにしないで、「説明責任」を尽くしてください。結局「私は何もしりません。秘書が・・・」と言うのだろうと諦めることがこの人たちを延命させている。私たちの責任でもある。

 GoToトラベルGoToイートで、旅行に行ってください。食事に行ってくださいと菅さんたちが声をあげながら、65歳以上の人は自粛してください。若い人は旅行に行ってもいいよ。みなさん、マスクをしてください。密にならないように。食事は4人以内で、マスクを着けはずししながら食事をしてください?なにがなんやらわからんことや、自助努力ばかり強いることを、恥ずかしげもなく言っている。経済的に苦しい人がいるだろう。その人たちにはGoToや、オリンピックにいっぱい税金をつぎ込む前に、できることがあるだろうと思うし、医療機関、従事者にもっと支援することあるだろうと思う。私たちが監視し続けることが大事だ。

 上記歌は山梨の鳥口恵さんの短歌〈下記も)

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 無罪宣告を求める四人に報いたい鎌田慧のコラムに肯う

内ゲバで倒れし息子(こ)を詠む歌集あり 小林多喜二の『母』浮かびくる