近 況       2021年3月30日

 2021年3月29日、大阪で全国狭山活動者会議・住民の会交流会が開かれた。
私たちはビデオメッセージでの参加となった。多くの人が参加して下さったそうだ。
狭山事件は発生から58年になる。これほど長く、これほど多くの人たちによって、創意工夫した闘いが続けて来られたのは、他に無いのではないか。被差別部落に生まれ、差別の結果貧しくて、教育も十分に受けられなかった石川が、冤罪に巻き込まれた。石川の生い立ちを自らに重ね合わせた部落大衆が立ち上がり、教職員、労働組合、宗教者等、社会正義を求めた多くの人・組織が「差別・冤罪を許さない」と共鳴・共闘した。
石川は82歳になったが、何としても生きて冤罪を晴らすとの闘志は今も変わらない。
これまで、弁護団の努力により、無実を明らかにする科学的な鑑定が多数裁判所に出されている。これらを調べてくれれば(事実調べ)石川の無実は必ず明らかになる。裁判所の正義が問われている。

 3月17日、札幌地裁で画期的な判決が出された。北海道の同性カップル(3組6人)の訴えに対し、「性的指向は、自らの意思で選択・変更できない。同性愛者が婚姻によって生じる法的効果の一部すら受けられないのは、合理的根拠を欠く差別だ」と指摘した。東京や大阪など、全国5地域で争われている同種の訴訟で司法判断が出されたのは初めて。国の現行法は「法の下の平等」を定めた憲法14条に反すると認定した。それに呼応するように日本航空は、「レディス&ジェントルメン」のアナウンスを廃止し、「乗客の皆さん」とか「皆様」という呼び方にし、従来の性差にとらわれない呼び方に変えるそうだ。

闘いがあれば、進む。狭山の闘いもそうだ。必ず勝利する。そのように確信した出来事だった。

憲法24条
第1項
結婚は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。 
憲法14条
第1項
すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分または門地により、政治的、経済的または社会的関係において、差別されない
 憲法13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。 

 29日、東京・墨田の京子さん、荒川の加代さんから「東京都連女性部が4月の三者協議に向け、鑑定人尋問・事実調べを求める高裁前スタンディングを4月15日に行います」とのメールがきた。ほんとうにうれしいし、大きな力を頂く。都連女性部は、「裁判所に近い所にある私たちが、何としても狭山を動かす」と、行動を起こし、それに「狭山の闘いを止めない」と多くの人が賛同し、駆けつけてくださっている。 

28日、埼玉の赤嶺さんからメールが「~我が家で大野裁判長への要請はがきを書くために地元の友人たちが集まりました。マスク等コロナ対策を充分にとっての作業です。~一人での闘いの火を燃やし続ける事はできないけれど、さまざまな方たちの出会いと繋がりに支えてもらいながら、みんな頑張れるんだと思います~一部抜粋)彼女の温かさがいっぱい伝わる。26日には、ゆず味噌、トマトを送って頂いた。石川の好物だ。

 24日、「狭山再審を求める市民の会・こうべ」から署名70筆が届いた。代表の高橋さんからのお手紙には「~署名は、1月31日『市民のつどい』にリモート参加されたKさんから30筆、東京のSさんから2筆、「市民の会・こうべ」の2~3月の街頭行動での38筆と合わせて送らせていただきます。~僕らの拙い取り組みを通して、こうした出逢いを頂いていることに心から感謝しています。~近くの公園にモクレンの花も咲きました。狭山の梅の花、今年もきれいに咲いたことでしょうね。この季節になると、現地調査の事を思い出します。~」(一部抜粋)

   

 23日は狭山デー。
「狭山事件を考える北九州市民の会」は小倉駅頭、「東部市民の会」は越谷駅での狭山スタンディング、池袋での情宣活動、「くまもと「狭山事件を考える住民の会」の「狭山坐りこみ」 21日は滋賀・近江八幡駅での情宣行動 11日は北埼でのスタンデイング、他にも40年位続いている徳島の23デーの取り組み等、私の知らないところで23デーの取り組みは全国各地で続いている。これらのとりくみ、闘いはきっと花開く。

   

 4月末には三者協議がある。司法の正義をみせてほしい。