近況 2021年6月17日
無実の獄 狭山事件写真集25年(解放出版社) |
6月17日、石川は「あまり寝られなかった」と朝早く起きてきた。
1963年6月17日、弁護団から保釈申請が出されていた。警察は石川を一度保釈し、狭山署を出る直前に再逮捕、当時使っていなかった川越署分室に移送した。石川を外部から孤立させ、「自白」への圧力を強化したのだ。
当時、石川は弁護士から「裁判がある(別件逮捕されたこと)」と聞いていた。警察から石川は「元からそんなものはない。弁護士はウソつきで、だまされているのだ」と言われた。それから弁護士を憎むようにすらなったという。女子高校生殺人の容疑に切り替わり、再逮捕されたことで、裁判が無くなったことなど、当時の石川には知る由もなかった。自分の無知や、それに付け込んだ警察権力の非道さを思い出すにつけ、怒り、悔しさ、無念等さまざまな思いにさいなまれたのだろう。
当時の川越署分室の留置場 |
これまで石川は「過去は振り返らない。振り返れば苦しいことばかりだ。振り返るのは裁判に勝ってから。今は前を向いて進むだけ」と言っていた。そして、そのようにたんたんと生きてきたように思う。しかし、最近は違ってきている。どこででもすぐに寝られた石川が、今年に入って、眠れない日が続いている。
2019年8月、大分県から中学生・高校生が現調に来てくださった。今年1月14日には皆さん方から「石川さんお誕生日おめでとう」のメッセージを頂いた。
2021年5月19日「狭山事件の再審を求める宇佐地区住民の会」の座りこみ |
2021年6月、現調後3か月かけてパワーポイントで資料作成し、講演もされたその資料や、講演会の感想等が届いた。資料は丁寧で、わかりやすくつくられていた。その他に、中学生、高校生の皆さんからのメッセージ、2021年5月19日、「狭山事件の再審を求める『宇佐地区住民の会』」の皆さんと一緒に「第29回狭山座り込み」をされた時の写真など、皆さんの闘いと支援の思いの詰まった大きな荷物は私たちの宝物になった。
6月、愛知県の石井さん、沢山の切手を送って下さった。
千葉県の「狭山事件にとりくむ東葛住民の会」から署名15筆と5月22日、プラカードを持って「狭山スタンディング」をした、とのお手紙が。
皆さんの闘い、思いに元気に応えたい。
東京五輪は開催方向で突き進んでいる。スガさんも「オリンピックが始まれば国民はすべて忘れてオリンピックを楽しむだろう。そうなれば自分の支持率も上向く」と思っているようだ。新型コロナ禍における東京五輪。世論をオリンピック中止でなく「観客を何人入れるか」の方に向かせようとしている。これまで自粛自粛と、理不尽な私権制限を強いてきたのに、五輪は別、人流増もOKだと。
このような政権は絶対にNOだ。
上記歌
懊恨(おうこん) 悔やむ、残念に思う
懈弛(かいし) 気のゆるみ
燃眉之急(ねんびのきゅう) 情勢がひっ迫している