近況   差別する自由などない  2021年9月28日

 2021年9月27日、「部落地名リスト」削除を求めた裁判が、東京地裁で開かれた。
全国の、被差別部落の地名などをまとめた本の出版や、地名リストのネット公開は「部落出身者が差別や誹謗中傷を受ける恐れがあり、プライバシーを違法に侵害する」と判断し、示現舎代表らにネット削除と賠償命令を命じた。示現舎側は、「出版やネット掲載の禁止は憲法が保証する学問の自由の侵害だ」などと主張したが、判決はその主張を退けた。

 9月27日の東京新聞で大きく「地名リスト削除求めた裁判今日判決」とあった。最近はテレビを観ない生活を続けていたが、この日はずっとニュースに注目していた。夕方、東京地裁が、「被差別部落地名掲載は違法であり、プライバシーの侵害」だとして「ネットの削除と損害賠償命令」を命じた判決が出た、とのニュースに少し安堵した。

 今日(28日)の新聞各紙に「違法」の記事が載った。
人の命や、希望を奪うかもしれない差別が現存する。私自身も結婚差別、就職差別にあった。職場では数えきれない程の差別発言、差別事象があった。差別と感じずに発言している人や、いやがらせ、自分のうっ憤を晴らすために発言している人もいた。そのような中にあって、「死んでしまいたい」と思うほど苦しんだこともあった。

 部落解放運動や、狭山闘争に出逢い、闘いの中で「もう隠さない」「もう黙って下を向いてはいない」「許さない」と思えるようになった。自分自身の意思で差別と闘う決意をして、「隠さない」と思うことと、他人に自分自身のプライバシーを勝手に暴かれることとは違う。今はまだまだ差別が厳しい。差別が無く、不利益を被る事が無ければ、隠す必要はないのだ。

 今もなお、部落差別により、結婚等で、悩み苦しんでいる人たちがいる。その問題の多くが表面化していない現実がある。
差別する自由など無い。
「差別禁止法」のような新たな法律が必要だ。