10.31メッセージ
寺尾不当判決糾弾集会を何年続ければ再審への道が拓けられるのか先の見通しも立てられない中、今年も寺尾不当判決から47年を迎え、全国各地の支援者皆様方が集会に決起くださったものと思われ、何時も乍ら感謝の念で一杯です。
東京高裁寺尾裁判長が憲法と法律を遵守していたならば、私自身を含め、支援者各位にもこのように長い年月、ご迷惑、ご心配をおかけせずに済んだ筈なのに、荒唐無稽な論法を用いて不当極まりない有罪の判断を下したのは断じて許せないことであり、それ故に、今日に至っても糾弾集会が継続される結果になっている訳でありますが、その後の裁判も許しがたい認定をしていたことは、周知の通りです。
言及する迄もなく、裁判とは予断を抱くことなく、十分に司法的抑制の理念に立って,事実を虚心に、真摯に精査され、大局的見地に立って検討される限り、最早再審開始以外の結論は出し得ないと思います。
下山第2鑑定が出され、私自身も今度こそとの思いがあります。裁判官に対し、鑑定人尋問の必要性を強く求め、訴えていきたい。正に下山第2鑑定は寺尾判決が有罪の決め手とした万年筆に関して、警察に因る証拠のデッチ上げ、捏造そのものである事を明らかにしました。
これまでの有罪判決や棄却決定が主観的な心証を客観的な証拠の上に置くことこそ予断がその根本にあってみれば、その誤りも厳しく指摘し、それを是正させる闘いも不可欠です。第3次再審請求を担当する裁判官には予断を持つことなく、公正・公平に審理をすすめてもらいたいと切に願います。
私自身も、如何なる時でも司法に幻想を抱くことなく、常に理路整然と闘って参る所存であることは言うまでもありません。
私は、第3次再審闘争の中で、今度こそ、冤罪の真相に蓋をすることは断じて許さないという姿勢で臨む決意であります。
また、刑事再審法改正についても、特に再審における証拠開示の保障や、検察官上訴の禁止等、変えさせていく闘いも急務です。
何時だったか失念いたしましたが、「裁判に勝利するには、いい裁判官にあたればいいね」と話された方に、私は迂闊にも「そう願いたいものです」と藁をもつかむ思いからお答えしましたが、裁判官に当たりはずれがあっていいわけではなく、法に従うことが求められるのであり、のちに自分の軽はずみな言葉を反省したものでした。
何れにせよ、現在裁判所に提出されている新証拠の検討は元より、隠されている全証拠の開示と同時にそれらを正しく判断され、刑事訴訟法第435条6号のいう新しい証拠が発見された時は、再審開始が法にうたわれているので、この法律に則って速やかに再審を開始されるよう裁判所に働きかけて頂きたく切に願っています。
2021年10月
寺尾不当判決47カ年糾弾!再審要求集会
参加者ご一同様
石川 一雄