部落解放第63回関東女性集会
63回を数えた関東女性集会が、2018年8月25日~26日、群馬県の水上温泉町で開かれた。
主催者を代表して、部落解放関東甲信越地方協議会・白石共同代表から挨拶。また、部落解放同盟中央本部・山崎女性部長、関東甲信越地方協議会・片岡議長から来賓あいさつ。それぞれから、2016年12月に公布・施行された「部落差別解消推進法」の具体的な施策実現や、山場を迎えた「狭山第3次再審の闘い」に全力で闘う事の確認、提起がされた。
記念講演は講談師:神田香織さんの「塀の中の学び」。一つひとつ、文字を獲得していく石川の闘いや、えん罪を晴らす為の55年の不屈の闘いを、力強く、ユーモアも交えながら話された。反原発や、えん罪を晴らす闘いは「明るく楽しくひつこく」と結ばれた。
「塀の中の学び」講談師:神田香織さんと |
翌26日、狭山分科会は、部落解放同盟中央本部の安田聡さんより、「現状と課題」について報告の後、石川が「来年には判断が出されるのではないか。これが最後との決意で闘っている。最大限のご支援を」と訴えた。コンピューターを使い、脅迫状の字は99・9%別人との福江報告書、万年筆は偽物だったという下山鑑定、川窪鑑定、取調べ録音テープで判明した「自白」の強要等。検察が隠し持っていた未開示証拠を運動の力で開示させていく中でますます明らかになった石川無実。鑑定人尋問等、事実調べをさせることが今最大の課題であり、それ向かって全力で闘いぬこうとの決意を込め、「差別裁判打ち砕こう」を全員で歌った。
10月の人権フェスティバルで「狭山」を |
今回印象に残ったのは会場からの発言だった。
多くの人から「私の闘いは狭山が原点。狭山に出会って生き方が変わった」との発言。また、地区外から被差別部落の人(夫)と結婚したが、「あなたに私たちの苦しみがわかるのか」と問われながら、闘い続けて来たことの葛藤など、胸に迫ってくる発言に会場から温かい拍手が。
助言者から「私自身も狭山に出会い生き方を変えることができた。狭山の勝利無くして部落の解放はないとの思いは今も変わらない。いろんな立場の女性(人)がいる。私自身も、出身を隠して生きてきたが、東京に来て狭山闘争に出会った。立場は違っても、多くの人の思い、闘いを繋いでくれるのが狭山。狭山を知らない人も多い。多くの人にどんどん広げよう」とはなされた。
獄の中から、えん罪を訴え続け、権力犯罪とともに、人間解放の闘いを続けて来た石川が、自分自身が意識しなくても、多くの人に影響を与えたとしたら、この55年の闘いも決して無駄でなかったかもしれない。 あと少し。あと少し。闘いを続けよう。