狭山差別裁判の再審を勝ちとろう!荒川集会

 2018年10月4日、18時30分から荒川さつき会館で、上記集会が開かれた。部落解放荒川区民共闘会議主催で、毎年開かれている。
坂本幹事から6月に映画「獄友」の上映をし、150人を超える人たちが観に来てくれたことや、石川さんのみえない手錠をはずすために力を尽くそうと挨拶された。

   

「狭山事件 第3次再審の現状」と題し、狭山弁護団の河村健夫弁護士の講演。特に2018年8月に裁判所に提出した「下山第2鑑定」についての報告は「石川宅から発見された「万年筆」は、被害者の物でない、との科学的な鑑定結果で明らかであり、寺尾判決の「当裁判所は、いやしくも捜査官において所論のうち重要な証拠収集過程においてその一つについても、弁護人が主張するような作為ないし証拠の偽造が行われたことが確証されるならば、それだけでこの事件は極めて疑わしくなってくると考えて」「この点については十分な検討を加えた。しかしながら・・・・・・結論としてこれらの点に関する弁護人の主張は一つとして成功しなかったと認めざるを得ない」となっているが、当時、下山第2鑑定が出ていれば、このような判断が下せたかどうか。今、下山鑑定や、福江鑑定等、科学的・客観的に無実を明らかにする証拠を提出し、大詰めに来ている。現在の東京高裁第4刑事部の後藤裁判長は2020年6月に定年退官されるが、後藤裁判長の間に判断を迫りたい」とはなされた。
事件発生当初から「万年筆」は疑惑のオンパレードだった。万年筆に被害者の指紋も石川の指紋もない、インクの色が違う、発見経過がおかしい等々。それに対し、「指紋は必ずしもつくとは限らない」と言い放ち、被害者の使っていたインクの色はジェットブルー、発見万年筆はブルーブラックだったが、それに対しては「被害者の友人が事件の当日・・・ころ被害者にインクを貸した事実が窺われるほかに、被害者は事件当日の午後学校を出てから狭山郵便局に立ち寄っていることが認められるのであって、同郵便局で万年筆のインクを補充したという推測を入れる余地も残されていないとは言えない」と結論付けている。推測や窺われることが判断の基準にされ、有罪の根拠とされたのだ。しかし、今新たな科学の進歩でインク補充説の推測は吹っ飛んだ。これは2016年10月の証拠開示から導き出された鑑定だ。証拠開示は、事件発生から実に53年目だ。無実を訴え続けた半世紀以上の年月。有罪とされた証拠が今は無罪の証拠となっている。これが冤罪だ。
 「寺尾裁判長には生きていてほしかった。このような新証拠をどのような気持ちで聞くだろう」と言った石川の無念の気持ちが痛い程伝わる。
             何十年も叫び続けた「今度こそ」。夜明けは近い。