第39回埼玉人権フォーラム 2019年11月28日

 埼玉人権フォーラムが久喜総合文化会館を中心に開かれた。
「えん罪と人権」の第5分科会は久喜市立中央公民館で13時から開かれた。
報告①「再審法の改正をめざして」 客野美喜子さん(再審の法改正をめざす市民の会事務局長)

 
 再審法改正をめざす市民の会:客野さん

 客野さんは2001年に「無実のゴビンダさんを支える会」を結成し、2012年再審無罪を勝ち取るまで、事務局長としてゴビンダさんを支え、闘い続けた。2019年から「再審法改正をめざす市民の会」事務局長をされている。
「警察が公金で集めた証拠が、検察によって、有罪を維持するために使われ、有罪立証するために公金を使って鑑定をする。裁判所は、そのことを承知していながら、判断を下す。このことが冤罪を引き起こしていく。ゴビンダさんを地獄に突き落としたのは東京高裁・高木俊夫裁判長。(狭山事件も1997年高木裁判長に再審請求棄却される) 無実を訴えている人が必要としている証拠は警察・検察にほこりをかぶって隠されているという不正義がある。えん罪ほど恐ろしい人権侵害はない。ゴビンダさんのえん罪を晴らす戦いの中で、司法制度の欠陥、不備を知ってしまった以上、放置することはできない。2019年再審制度改正をめさす会を結成した。今スタート地点にあり、これから協議を重ねていく。主権者である私たちが司法をかえていく。そのためには多くの闘う人、市民と連携していくことが重要だ。狭山事件について万年筆、筆跡等、科学的な鑑定が出ているので、裁判所は鑑定人尋問を行うべきだ。石川さんは多くの人から支援していただいて、かけがえのない人生を送っている。再審開始、無罪獲得まで共にがんばろう」と話された。
司法は「疑わしきは被告人の利益に」なっていないし、たとえ裁判所で再審開始決定が出ても、検察が上訴し、再審開始決定が取り消される時もある(袴田事件等)。
無実を訴えて戦っているものにとって、果てしのない闘いになっている。検察・警察、裁判所はいくら時間がかかろうが金がかかろうが関係ないのだ。人は変われるし、使う金は税金だ。無実を訴えているもの、袴田巌さんや石川は年々年を重ね、袴田さん83歳、石川80歳、無実を訴えたくても、金はかかる、時間はかかるということで、無実でありながら、裁判もできないでいる人がどれほど多くいることだろうと思う。えん罪を晴らすことと並行して司法をかえていく闘いが重要だ。
 報告②は「狭山事件の現状と新証拠」と題して埼玉県連・事務局長の小野寺一規さん。「今最大の焦点は万年筆。確実に検察を追い込んでいる。警戒感を持ちながら、闘いを進める」と話された。
会場から「勝つために今何をすべきか」との問いに客野さんから「市民の声、マスコミの力が大きい。一人ひとりが多くの人に知らせていくという地道な努力が大事」と話された。