埼玉で「狭山事件60年!真相報告集会」  
 2023年5月13日 と 5月14日

 5月13日、部落解放同盟北埼玉地区協議会主催による上記集会が開かれた。
あいにくの雨☂だったが、会場に多くの人が来て下さった。新型コロナ感染拡大の影響で、3年ぶりの集会だった。雨で土曜日ということもあり、早めに会場に行く。
集会は、水平社宣言、解放歌合唱、集会終了時は「狭山差別裁判打ち砕こう」の合唱で締めくくられた。
議長の平岡孝さんが「地域から原点に立ち返ろうと、真相報告会を埼玉県内各地で行っている。地元での活動をしっかり行っていこう」と挨拶された。
その後、「万年筆・インクの鑑定を・狭山事件60年目の真実」のDVD上映。

   
「狭山差別裁判打ち砕こう」の合唱  「皆さんの闘いが司法を動かす」 と石川の訴え

一雄は「大野裁判長は『全ての裁判官は、良心に従い独立して職権を行い、憲法・法律にのみ拘束される』と憲法にあるように、どこからも何物にも束縛されることなく、良心に従って正しい判断をしてほしい。鑑定人尋問をするかしないか、今年中の闘いにかかっている。私は獄中で正義感ある看守さんに文字を教えてもらった。死ぬほどの思いで文字を獲得し、メッセージを書いた。獄中からあれほどメッセージを書いた人はいないのではないか。この第3次再審で万が一負けることがあれば、私が生きて冤罪を晴らすことは出来ないと思う。何としても、地元、また全国の皆さんのお力をお借りし、冤罪を晴らしたい。皆さんの闘いが司法を動かす。」と鬼気迫る訴えだった。
最近ますます目が見えにくくなり、足元が不安定になったことが、彼の気持ちを焦らせているのだろう。一雄の訴えを聞きながら涙があふれて止まらなかった。
書くことにも不自由している一雄の5・23メッセージも、ぜひ読んでいただきたい。

 5月14日、「狭山事件60年真相報告集会

 この日も朝から雨☂だったが、昨日同様「熊谷商工会館」に会場いっぱいの人が来て下さった。
小林共同代表「何としても鑑定人尋問を」と主催者挨拶。一雄は更なる支援のお願いをした。

   
小林共同代表「石川さんの見えない手錠を解き放そう」  「生き抜いて冤罪を晴らす」と 石川

DVD上映後、中央本部の安田聡さんの講演。安田さんの講演は本当にわかりやすい。今回の一番大きな争点は万年筆・インクであり、事件当日、被害者が使っていたインクの色はジェットブルー、インクにはクロム元素が入っている。石川宅から発見された万年筆・インクの色はブルーブラック、この万年筆・インクにはクロム元素が入っていない。このことは事件発生から50年目に検察から出された証拠によって明らかになった。実に、50年も無実を明らかにする証拠が検察に因って隠されていたのだ。検察が証拠を隠して出さないのは狭山事件に限ったことではない。裁判所はこのようなことは充分承知している。それを黙認しているからますます検察の横暴が続くのだ。
これを「許さない」との声が大きくなれば、司法はきっと変わる。
84歳になった一雄は、自分自身の老いを自覚し、そのような自分自身をさらけ出しながら、「這ってでも生き抜いて冤罪を晴らす」との覚悟で、皆さんに支援の訴えを続けている。

彼の真っ直ぐな心
訴えの
声には張りがあり、力がある。

まもなく60年目の5月23日
動かせ”司法”
動かせ”狭山”